2016/03/12

チャッピー / CHAPPiE


【物語】※ネタバレあり
 そう遠くない未来の南アフリカ…警察は悪化しコントロールが出来なくなった治安を回復する為に、人型のロボット警官隊を導入した。ロボットたちはAIが搭載されており、自分で事態を判断し行動する。効果は絶大であった。


 AIを創りだしたディオンは次のAIを創りだした。それは人間と同じように自分で学習し成長していくAIだ。詩や絵画なども学習できるのだ。ディオンは上司に実験の許可を求めたが、上司は兵器メーカーには必要ないと突っぱねた。
 ディオンはRPGを喰らい破棄予定だった機体を密かに盗み出し、そのAIを機体に埋め込んだ。機体は破損しバッテリーの交換ができない状態の為、五日間しかバッテリーが持たないが実験には十分だ。
 しかしディオンが機体を家に輸送中に襲撃される。襲撃したのは悪党三人組、リーダーのニンジャにその彼女のヨ~ランディにアメリカだ。
 彼らは大金を稼ぐ必要に迫られていた(大金を稼がないとヒッポというギャングのボスに殺される)。彼らのような犯罪者が大金を稼ごうとすると、無敵のロボット警官がやってきて蜂の巣にされる。そこで彼らはAIの開発者を誘拐しAIをどうにかしようと考えたのだった。
 しかしAIには厳重なセキリティに守られており開発者でもどうにも出来ない。そこで彼らは実験AIを搭載れたロボット警官を使い強盗をすることを思いついた。
 それはチャッピーと名付けられディオンから正しい心を、ニンジャからギャングの教育を受け、驚異的なスピードで成長していく。
 ディオンの同僚にヴィンセントという男がいた。ヴィンセントはロボット警官に疑問を持っていた。人間がコントロールすべきだと考えていた。彼は人間が遠隔でコントロールする兵器ムースの開発を行っていたが、ロボット警官の為に計画は頓挫しかけていた。
 ヴィンセントは会社のロボット警官の管理システムを乗っ取り、全てのロボット警官を停止させた。
 そして自分の仕業だと気がついたディオンを消すために、ディオンとチャッピーと三人組のもとにムースを送り込む。
 圧倒的な火力を誇るムースに、アメリカとヨーランディを殺されディオンは重傷を負う。しかしチャッピーの活躍でムースを破壊した。
 チャッピーはムースの遠隔操作システムを利用しディオンの意識をデータ化しそれを新たなロボ警官の機体ダウンロードする。試みは成功しディオンはロボットとして蘇った。
 たまたまヨーランディの意識をデータ化していたチャッピーはヨーランディもこの世に蘇らせる。
【点数】65点(100点満点)
【感想】※ネタバレあり
 面白い。とにかく最初から最後まで目が離せない。が、ラストに納得が出来ない。なので心に何も残らない。
 この作品では、人間は肉体を捨てれば永遠の命を得ることができるというラストになっている。データ化した意識を新しい機体に移していけば良いのだ。
 たいていの作品で永遠の命というものは否定される。限りがあるから意義があるのだと。そう考えるとこのラストは斬新だ。永遠の命があっても良いじゃないかという考えを頭から否定するつもりはない。だがこの作品で永遠の命があってもいいじゃないかという考えは描かれない。
 最初、チャッピーはバッテリーが五日間しか持たないと知り絶望する、そして新しい機体に意識をデータ化して移すことをディオンに提案するが、ディオンにそれは出来ない、移せたとしてもそれは自分ではないと諭される。
 なのにラストでは意識のデータ化と移行は完全に成功し、人類は永遠の命を得る。だったらラスト辺りに永遠の命を肯定し観客を納得させるような展開が必要だが、それはない。
 であれば、月並みではあるが、永遠の命を否定し、チャッピーは五日間の寿命を全うし、人生の価値を長さじゃないという事を観客に示すべきだったと思う。
 この映画には芯がない。

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