2014/06/29

塀の中のジュリアス・シーザー/Cesare deve morire


【物語】 イアリアのレビッピア刑務所、囚人の更生プログラムとして毎年、演劇の公演を行っている。今年の演目はジュリアス・シーザー。

 物語はあるようでない。ほぼない。というかジュリアス・シーザー、がこの映画の物語のほぼ全てだ。   
 囚人たちが更生プログラムの演劇のジュリアス・シーザーの終幕演じているところから始まる、次は時間が戻り囚人たちがオーディションを受け、あとはほぼ稽古の場面。という構成だ。囚人を演じているのは本物の囚人。
 最初の方は囚人同士の会話などもあるが、中盤辺りから稽古シーンのみとなる。実質は刑務所を舞台にジュリアス・シーザーが演じられていく。演劇は舞台の上の役者の演技に吸い込まれていくと、舞台の上のどんな安っぽいセットでも衣装でも本物に見えてくる。嘘が本物になる、この映画もそうだ、観客はいつの間にかジュリアス・シーザーを観ている。予告編の刑務所はローマ帝国へと変貌するというのは文字通りだ(といってもシーザーが殺された直後はローマはまだ共和制だが)。そして本番の舞台で終幕を迎え大喝采の拍手を浴び、囚人たちが再び独房に戻され、映画は終わる。  
 映画の上映時間は76分と短い。が、短さは微塵もない。内容が濃いからだ。本当に面白い映画は時間を感じさせない。アホみたいに長かろうが短かろうが観客はそんなことを感じない。  ある囚人が最後に、芸術を知ってから刑務所は牢獄に変わったと言う。   

2014/06/28

ハンナ


概ね悪く無い、観てて退屈はしなかった。
だが最後の展開が納得がいかない、主人公のハンナは戦闘能力はかなり高い、殺そうと思えばほぼ誰でも殺すことが出来る。だが最後に決して戦闘能力がそこまで高くないラスボス的な女から逃げ出す。逃げ出させるなら女がハンナに圧倒的に精神的優位になった状態にならなければおかしい。それをハンナが殺すことで成長する展開にしたほうが良い。

Virginia/ヴァージニア


主人公が崖っぷちのホラー作家で偶然訪れた田舎町の殺人事件を題材に本を書く。眠るとエドガー・アラン・ポーが出てきて、主人公に昔この街で起きた殺人事件を語る。というような内容。
最初は雰囲気も良いし、ドンドン引き込まれるが、中盤辺りからよくわからなくなり、最後はグダグダにわけが分からなくなってなって終わる。
訳がわかなくても、グダグダじゃなければいいのだが、なんかぐだぐだで終わる。コッポラはこういいうのむいてないんでない。

第7鉱区


【物語】 石油採掘船にバケモノが出てきて、乗員が右往左往、ぶっ殺される。 つまらない。無駄なシーンばかり。全てが表面的。矛盾だらけ、穴だらけの脚本。 何をどうしたらいいのか。 一番気になったのが、船長に事あるごとに食って掛かる主人公、だが観てる限り船長は常識的なだけで、何であんなに主人公が蛇蝎の如く嫌うか全くわからない。だから主人公に感情移入できない。最後に部下を見捨てるのでまぁクズだったとわかるが、最後の最後だ。  なら冒頭で主人公の父親が死ぬ事故の原因がキャプテンだっとすれば良い。キャプテンが自分の安全を優先して止む無く主人公の父親を見殺しにした、という風にしておけば、主人公が船長を嫌う理由にもなるし、最後部下を見捨てる伏線にもなる。 まぁ気になることは上げればきりがない。これを観るならエイリアンを観たほうが良い。

2014/06/25

ファースター 怒りの銃弾


【物語】
ドライバーは兄と仲間と銀行強盗を成功させた。だがアジトを襲撃され金を奪われ兄も仲間も殺され、ドライバーも頭部に銃弾を受ける。しかしドライバーは辛うじて助かり、刑務所の中で敵の情報を集め復讐の準備をする。
 刑期を終え釈放されたドライバーは復讐を開始する。仲間たちが殺され始めた事をしった一人が殺し屋を雇い、ドライバーを殺させようとする。そしてこの復讐の捜査を始めた刑事もドライバーを追う。ドライバー、刑事、殺し屋の三人が交差する。

 ザ・ロック―ドウェイン・ジョンソンがバカでかいリボルバーを片手にクソカッコイイ車にのり、次々とターゲットを血祭りに上げていく。面白い。
 映画が始まり釈放されたザ・ロックがリボルバーで最初の標的のオフィスに乗り込んで頭をふっとばすのに5分とかかっていない。凄いテンポだ。
 簡単なプロットなのでこの冒頭でも、十分にこの映画がどんな映画なのか観客に伝えられる。
簡単だから力強いプロット。
 刑事のビリー・ボブ・ソーントンも相変わらず、良い。殺し屋が多少個性が弱いので、いっその事いらなかったような気もするが。
 骨太の良いアクション映画だった。
 
ついでだが、格闘シーンは52 Blocks というアメリカ刑務所発祥の格闘技を元にアクション指導をしたと映像特典で言っていた。それは実在するらしくググるとYouTubeでいかにもムショ帰りという連中が動画を上げている。AmazonでもDVDが売っていた。
 

もうひとりのシェイクスピア



ローランド・エメリッヒがこんな映画を撮れるとは、全く予想外だった。インデペンデンス・デイやディザスター・ムービーしか取れないと思っていたが、こんな映画がとれるとは。
正直かなり面白かった。
 本当のシェイクスピアだというエドワードの身の回りに起きることが、シェイクスピア作品の色々なシーンと重なり、これがモデルであのシーンに反映されたという描き方なので、多少シェイクスピアのメジャーな作品は頭に入ってないと本当には楽しめなのかもしれない。あと多少チューダー朝をさらっと知っていないと、話が頭に入りにくい、かも。
 最後に本当のシェイクスピアのエドワードが語る今際の際の話は、ソネットに通じる。シェイクスピア好きだったんだな、エメリッヒ。

コナン・ザ・グレート


【物語】
辺境の蛮族の村を邪教軍団が襲った。少年だったコナンは両親を殺され奴隷として売られた。そして成長したコナンは剣闘士として売られる。剣闘士として勝ち抜き、さらに剣術の訓練を受けコナンは屈強な戦士として成長する。コナンの主人はある日コナンを自由にする。自由となったコナンは両親の仇の邪教軍団を求め旅に出る。

 私は未だにコナンといえばコナン・ザ・バーバリアンだ。 
ストーリーは原作を参考にした程度で、ほぼオリジナル。しかしロバートEはワードの味は失われていない。
 多分、20年以上ぶりに観たが面白かった。小学生の時によく日曜日の昼間とかにやっていたが、それ以来だろう。
 今の映画に比べるとテンポも悪いが、やはりそれでも面白い。Blu-rayの高画質で観たが美術や衣装がしっかりしているので全然見劣りがしない。80年代の映画じゃないようだ。
 音楽もよく、コナンが相棒の弓の名人と大平原を走って行くシーンは音楽も相まって、泣きそうになった。最高に面白い映画とは言えないが、素晴らしい映画だと思う。

 今回観たBlu-rayには監督のジョン・ミリアスとアーノルド・シュワルツェネッガーの音声解説に、数本のドキュメンタリー。映画コナンの作製に関するものや、原作のコナンに関するもの、こっちにはマイケル・ムアコックが出てきて色々、コナンやロバートEハワードに語っている。ファンとしては十分に納得行く出来だ。愛されている作品だ。

2014/06/24

ソロモン・ケーン


【物語】
舞台は16世紀のヨーロッパ 極悪人ソロモン・ケーンは略奪の為、ある城を襲う。しかしその城はソロモンに仕掛けられた罠だった。悪魔がソロモンの魂を奪うために待ち構えていた。辛くも悪魔から逃げ出したソロモンは改心し、修道院で暮らし始める。しかし数年後、ソロモンを旅に出すようにと啓示を夢に見た院長によりソロモンは旅に出る。
ソロモンは強盗に襲われ怪我をしたところを、ある旅の一家に助けられる。しばらく一家と旅を続けるソロモンだったが、謎の仮面の騎士が指揮する軍団に襲われ、一家の父と子供は殺され、娘がさらわれてしまう。死にゆく父から娘を助けることを頼まれたソロモンは、再び暴力と殺戮の世界に戻ることを決意し、追跡を開始する。
そしてこの殺戮の追跡は、ソロモンが捨てた生まれ故郷へと至り、ソロモンは仮面の騎士と対決する。

原作がロバート・E・ハワードだったので、なんとなく借りた。パッケージを見た感じしょぼそうな感じだったので全く期待していなかった。私はロバート・E・ハワードのファンだ。しかしコナン以外の作品はほぼ翻訳されていない。それで、多少なりとも他の作品のことがわかればいいと観てみた。
舐めきっていたが、面白かった。画面にしょぼいところなど何もなかった。ピート・ポスルスウェイトだって出てる。ピート・ポスルスウェイトが出てきた時の安心感は最高だ(これがもう感じられないのは最低だ)。今回もバシッと引き締めてる。
テンポよく気持ちのよい映画だった。二刀流で二丁拳銃でぶっ殺しまくるケレン味あふれるロバートらしい主人公。
SFXもそれなりに高い水準で、美術とかもセンスが良い。ホラー的な要素も程良い。原作はあるのでシリーズ化してほしい。

2014/06/22

スノーピアサー


【物語】
温暖化を抑えるため散布した物質によって、突如氷河期に突入した地球。それを予期してウォルフォードという鉄道王は人類の新たな方舟ともいえる”列車”をつくった。その列車は完全に自給自足が可能で列車から一歩も出ることなく生活をすることが出来た。その列車に乗ることが出来た人類だけが、生き残ることが出来た。
列車は車両ごとに身分が分けられ、最後尾の車両にのる人々は過酷な扱いを受けていた。しかし最後尾の若きリーダー・カーティスは、前の車両から送られてくる秘密のメッセージに従い、革命を計画していた。そしてついに全ての扉を開くことが出来る男が囚われいる情報を得たカーティスたちは革命を実行に移す。

面白かった、本当に心の底から面白かった。評判が大分悪かったので心配してたが、最高だ!
ポン・ジュノ監督は世界的に名を残すレベルの監督だ。この監督と同じ時代に生まれることが出来たのは幸運だ。僥倖だ。
 このクラスの映像作家の作品には無駄なカット、無駄なセリフ、とにかく無駄のものが存在しない。全てのカットに、画面に写っている全てのモノに意味がある。無駄なものが何一つない。全てが繋がっていくる。映画が総合芸術と言われるのそういうことなんだ。今作も勿論そうだ。Blu-rayで二回観たが、私のようなド素人が観ても新しい発見があるのだから、凄いことだ。(例えば、最後尾の車両の壁に掛けてあるキリスト像の左腕が欠けているのに気がついた。観たらわかるがとても意味のあることだ。)
 ポン・ジュノ監督は独特なユーモアで時に観客を戸惑わせることもあるが、今回もそれは健在だった。あのハッピーニューイヤーにはやられた。
 物語が進むにつれて―主人公が列車を進んでいく―に従って、列車の中の風景が抽象的、記号的になっていく、富裕層のレストラン、ラウンジ、歯医者、サウナ、プール、クラブ、鴉片窟、仕立屋、寿司屋、海、などだ。物語も寓話的になってい行く。
 だから中盤以降は列車にリアリティを感じなくなる、だが物語も寓話的になっていくので、バランスはとれている。もしリアリティを重視した列車にするなら、列車はキングゲイナーのシベリア鉄道の総裁が乗っていたような、列車というよりビルですよね、それ?というようなデカさになるだろう。あの列車の中に小さな地球のように全てが詰まっているというには、リアリティは完全にない。だがあの列車は象徴や記号なのだからそれでいいのだ。桃太郎が桃から生まれる事にリアリティはいらない。
 この映画は寓話的で哲学的で、無駄なカットも何一つなくエンターテイメントでありながら総合芸術として映画的でもある。また随所に観客が思わずグッと来る、やったぜ!と叫びたくなるようなシーンがある。例えば革命を決行するか決断する時の、兵士の銃に弾が入っているか確認するシーンは何度観ても最高に興奮する。この映画は完璧だ。

 この映画とは直接関係ないが、ポン・ジュノ監督の監督作品のグエムルに出てるソン・ガンホとコ・アソンが同じように父娘役で出ている。映画の最後に今回は娘を守れてよかったなと感慨深くなった。
 また関係ない作品の話だが、20世紀少年が映画化される際に、ポン・ジュノ監督にオファーがいったそうだ、だが日本の資本で好きに撮れる自信がなかったポン・ジュノ監督は泣く泣く断ったとインタビューで言っていた。ポン・ジュノ監督は浦沢直樹の大ファンであると浦沢直樹との対談で言っていた。もし監督していたらあんな大惨事にはならなかったろう。
 漫画の映像化に必要なのは、私が思うに2つ。ひとつは原作に対する愛、もうひとつは本質を見極める目。
 漫画と映像は全く別のメディアだ、観る人間の印象も全く違う。ただ漫画の通り映像化してもチンプンカンプンなものが出来上がるだけだ。その漫画の本質を見抜き、映像化するにあたって、映画なのかテレビ番組なのか、時間も考慮して構成しなおす能力が必要だ。 20世紀少年の監督にはその能力が完全に欠落していた。(もしくは、その能力はあったが映画会社の要請に答えてああしたのかもしれないが)
 もし大金持ちになったらポン・ジュノ監督で20世紀少年をリメイクしたい。

ゼログラビティ


3DIMAXで観ないと意味が無いとわかっていたが、結局見に行けず、Blu-rayで一応観ることにした。小さなテレビで観ても面白かった。純真に感動した。だがこれをもし映画館で観ていたら、これの何倍の感動したのだろうか、計り知れない。

2014/06/21

拍手する時に去れ

 
観てる間、決して退屈はしないが、思わってみるとつまらないと感じるのは、伏線をはるだけはって回収しないからだろう。観客を煙に巻く単なる煙幕だからだ。 観客はそれが最後に繋がっていくような展開を見た時に興奮するのに。

2014/06/19

リアル


【物語】
自殺未遂して昏睡状態の漫画家の恋人を目覚めさせる為、男は特殊な機材を使い恋人の意識に入り込む。男は現実と意識の中を、行き来しながら、恋人の望みである首長竜の絵を探す。

面白かった。
中盤までは、あの黒沢清の独特のゾワゾワ感があり、良い感じの嫌悪感に満ちていた。
でもちょっと長いか。ネタが割れてからがすこし退屈だった。最後の方はたるくてもう早く目覚ませ、という感じになった。

ラストスタンド




2014/06/15

ダブルボーダー


【原題】 EXTREME PREJUDICE 意味 極端な偏見をもって暴力的に情け容赦なく、暗殺するという意味の俗語
【物語】 テキサスとメキシコの国境の近くにある街。数年前から急激に街が麻薬に汚染されている。テキサス・レンジャーのジャックは汚染と戦っていた。街を汚染している組織のボスはジャックの幼馴染みのキャッシュだった。キャッシュはジャックの買収を持ちかけるがジャックは拒否する。 キャッシュはジャックを罠にかけ殺そうとするが、ジャックを殺す事は出来なかった。しかしジャックの父親代わりであった保安官が死に二人は仇敵となる。 その頃、街に政府の秘密工作員達が潜入し、組織の資金や帳簿がある銀行の貸し金庫を襲撃する。 襲撃犯を逮捕したジャックはキャッシュが政府と関わりがあったことを知る。 キャッシュは元恋人で現在はジャックの恋人を連れメキシコの本拠地へ戻る。ジャックは秘密工作の部隊と一時的に協力し、キャッシュとかたをつける為、メキシコに乗り込む。 ジャックと部隊はキャッシュの本拠地に襲撃を計画する、しかし隊員たちは今回の作戦が強引で、いつもと違い何か隠された意図があると感じていた。そしてジャックはキャッシュの本拠地に乗り込む。 

面白い。主人公のニック・ノルティが良い。最初から最後まで一回も表情が変わらない。岩か金属で出来たテキサス・レンジャー。48時間とはうってかわり痩せている。ナイフみたいだ。 銃も良い、ニック・ノルティが使うのは、ウィンチェスターライフルとM1911。 二回ほど銃撃戦があるが両方等もカミソリみたいに切れ味がいい。 ラストは組織とジャックと秘密工作部隊の銃撃戦。秘密工作員たちは仲間割れになり、何巴かもわからない状況になる。 銃と男たちの馴れ合わない友情。女も出てくるがおまけだ。

2014/06/12

ベルリンファイル


ベルリンで活動する北朝鮮のナンバーワン工作員。ある日自分の妻が党を裏切っているかもしれないという情報を得る。工作員は妻を調査し潔白であることを党に証明しようとするが、事態は悪化し、自分自身も何かの陰謀のために罠にはめられたと知る。工作員は、党と韓国の諜報機関に追われながら妻とともに陰謀を暴く。
という、物語。
北朝鮮の工作員が、こんなジェイソン・ボーン見たいにスタイリッシュに強く、装備も最新なあたりが映画っぽすぎるきらいがあるが、まぁ映画だから。(昔、亡命した北朝鮮の工作員で日本人を実際に拉致していた男が拉致のコツは、如何に飛び蹴りを綺麗に決められるかどうか、とインタビューに答えていた。実際にはそんな感じなんだろう)
だが、面白い。アクションは最高だ。非常にレベルの高いアクション映画だ。とくに最後の格闘のアクションは切れ味よく見応えがある中に、拳銃で殴りあうというような泥臭さがあり、それがリアルな感じをだしててよかった。
アクションはスタイリッシュなハリウッドテイストなのだが、物語にはリアリティある。北の最高指導者が死亡した党内のゴタゴタに乗じて、陰謀がめぐらされる。そして陰謀の真相の俗な感じが非常にリアリティがあり納得できた。



The Hangover Part III / ハングオーバー!!! 最後の反省会


こういう一作目が大ヒットしたので作られたコメディ映画の続編ってやつは、大抵面白くない。大抵面白くない。そうだ、大抵は。
大抵は二作目は前作をスケールアップさせ、同じことをやる。そして三作目はパターンを変えて全然違う作品になり、ファンにコケおろされ、そのシリーズは終了する。
このシリーズもこれに当てはまっているのかもしれない。三作目はどうも大分評価が低いので、このパターンに当てはまっていると思う人も多かったのかもしれない。
 私は、それをわかった上で、微妙にそれを外してきている印象を受けた。
二作目は、一作目とほぼ同じことが起きるが、微妙に違う、デジャブでも観てるような感じが面白い物語で、ちゃんと続編を作った価値があると思える作品だった。
今回は前作2作と全く違う、つながってはいるが、全然違う。タイトルの Hangover(二日酔い)もしてない。前作二作で一緒に馬鹿騒ぎしていたアジア人の犯罪者の犯罪に巻き込まれ、ギャングに脅されアジア人を追うという物語。最後に一番のトラブルメーカーがもう大人になろうと決意しこのシリーズは終わる。妥当で綺麗な終わり方だと思う。
だが、もっともクソ重要な事は笑えるかどうか、面白いかどうかだ。この映画は三作ともクソ面白かった、なかなかこれはできることじゃないと思う、コメディ映画でシリーズになるとスケールはアップしていくが笑いは少しずつ減っていく。だがこいつは三作ともまったくレベルを落とすことなく終わらせた。最高だ。
ついでに言えば、特典映像も最高だった。

2014/06/06

機動戦士ガンダムUC episode 7 虹の彼方に


100点満点ではないが、非常に納得の行く出来栄えだ。「俺、宇宙世紀のガンダムが好きでよかった」と言える内容だった。
ラプラスの箱の正体、非常に納得がいった。オットー艦長がその正体を知って、たったそれだけのことか、つぶやくが、たったそれだけの事のためにここまで殺しあってきたのも含め、納得の行く正体だった。
劇中のMSの品揃えは相変わらず最高だ。ネオジン残党がダブルゼータあたりの機体を主にチューンして使ってる当たりが、リアリティもあり相当良い。
バナージとフルフロンタルが共に時間を駆けながら観る、アクシズ落下、ア・バオア・クー、ソーラ・レイ、ソロモン、ブリティッシュ作戦の映像をグゥーと一気に見せるのはBGMと相まって、相当気持ちよかった。アニメにはこいう気持ち良いシーンが必要だ。
フルフロンタルとの決着と、コロニーレーザーの発射がこの作品のクライマックスだが、発射の前後のシークエンスはグダグダ。ロンド・ベルの基地への攻撃も含めてもっと盛り上げる感じに作ればよかったのに。それに続くラストのあたり多少もたつく感じがあるのが、残念だが、全体的には最高だった。
箱をバナージとミネバは開けるが、それでこの世界がなにも変わらないことを私達は知っている。知っている。
この後F91で地球連邦政府は更に腐敗し弱体化し、Vガンダムで描かれる宇宙戦国時代に突入、分かり合うどころか戦国時代だ。まぁその後、文明が滅びるまで何百年だが何千年だが戦い続けるんだから、箱なんてもともと取るに足らない存在だったのだ。まったく人間ってやつは最高だぜ!!

オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主


 【物語】
死者の姿と死神のような存在のボダッハを観ることができる主人公のオッド。オッドは街におびただしい数のボダッハが現れ、それが大虐殺が起きる前兆だと確信する。オッドは恋人とともに大虐殺を阻止する為に調査を開始する。

なかなか面白かった。楽しめた、退屈はしない作品。
途中までテンポがいいのだが、途中から少しテンポが悪くなるので、96分よりすごく長い気がする。主人公のナレーションがしゃべりすぎという感じもあるが、私は主人公ナレーションがきらいじゃないので、そこは良かった。
どんでん返し的シチュエーションが多く、また最後あたりが長すぎる。最近のハリウッド映画という感じ。さっと終わらして余韻を味合うのは観客に任せればいいのに。
でもこの出来なら原作はシリーズなので、映画もシリーズ化してほしい。

デッドマン・ダウン

 
【物語】
復讐の為に犯罪組織に所属する主人公の男。組織の一員の男に正体を気づかれ、止む無く自分のマンションでその男を殺した。だが、その殺害現場を向かいのマンションに住んでいる女に目撃されてしまう。女は沈黙の代償として、男にある男を復讐の為、殺害を依頼する。2つの復讐、孤独な女に惹かれる心、に男の計画は狂っていく。

なかなか面白かった。犯罪組織のメンバーが殺されその死体に謎のメッセージやパズルになった写真が添えられている。ギャングが殺されて、ちょと異常殺人みたいシチュエーションとうのは、今まで観たととないので新鮮だった。
アクションはあまりリアルじゃない今風のハリウッド映画の感じ(切れ味は良いけどね)、そのアクションがあまり映画のトーンとアンバランスな感じ。
監督がデンマーク人で初めてアメリカで撮った映画だからだろうが、アンバランスさが面白かった。


2014/06/05

アタック・ザ・ブロック




アタック・ザ・ブロック、やっと観れた。やっと。 団地で不良少年が仲間と共にエイリアンと戦いながら人間的に成長するという物語。完璧だ。最高に面白い。 主人公たちは飽くまで不良少年なので、武器は刃物、バット、ロケット花火なのでド派手なアクションはないが、煙で視界ない状態とか色々とバリエーションを作って飽きさせない。エイリアンの容赦無い殺しっぷりも良い。良い。とても良い。とてもね。 だが一番いいのは、主人公が成長していく姿が気持ちいいとこ。

2014/06/04

スクリーム4



1997年スクリームを観た19歳の私は衝撃を受けた。こんなにもホラー映画が面白かったのかと。そして2が公開された時は上映イベントが開催され、私と同じような多くの若者があの仮面をかぶり集まっていた。
今の若者がスクリームを観ると面白くもなんともないだろう。だが今のホラー映画はすべてスクリームから始まっているのだ、紀元前というような意味でスクリーム前という言葉を作ってもいいかもしれない。
1996年スクリームがアメリカで公開された時、ホラー映画は死んだほぼジャンルだった。低予算で今のようにスターが出演することもなく、ホラー映画マニアだけが観るジャンルで、ほぼ死んでいたジャンルだった。
だがスクリームは違った。出演者のほとんどブレイク寸前の有望な若手スターで、BGMには当時のヒット曲がふんだんに使われ、泥臭いイメージを払拭した。
そしてもっとも大きな点は、ホラー映画のルールを若者に教えホラー映画の楽しみ方を教えた。
その後スクリームっぽい映画が大量に生産された。スクリームっぽい映画はすぐに飽きられたが、とにかくホラー映画は生き返った。
そしてスクリーム3から11年経ってスクリーム4が作られた。
この11年でホラー映画は大きく変わった、簡単にいえばドンドン怖くなった。今の感覚で言うとただマスクをかぶっただけの人間がナイフで人を刺し殺しても、恐怖もインパクトもない。
劇中で登場人物がそのことに触れ、もうただナイフを振る舞わすだけじゃ怖くないと言うが、別の登場人物がこう返す、普通の人がいきなりナイフで襲ってくる方が生々しくて怖い、と。
まぁ確かにそうだが、こっちは映画を観てるだけなので、やっぱりもう怖くない。
ホラー映画を復活させたホラー映画スクリーム、そこから再び始まった潮流によって、スクリーム程度の怖さでは現在ではホラーに分類できないことなってしまった。

スクリーム4は三部作からつらなる続編映画としては、とても面白い出来だ。ネットとかオリジナルになりたい若者とか、現在的なことも反映されており、今現在この映画が作られる意味はそれなりにあったと思う。
だがあのスクリームの衝撃を受けた世代としては、現在アイディアが出尽くして倦んでいるホラー映画を再びブチのめすくらいの革命的なホラー映画を作って欲しかった。



2014/06/03

涼宮ハルヒの消失

昔、涼宮ハルヒの憂鬱が絶好調にメタクソ流行っていた時に、全然オタクっぽくない同僚数人が面白いと言っていたので、全話(多分……)観た記憶がある。 流行るだけはある、面白い。というのがその時の感想だ。 で、今日レンタル屋でふと映画化されていたことを思い出し、借りた。 つまらない、戯言みたいな内容。当たり前だ、これはアニメの一話分に纏められる程度の内容。 それを戯言で164分にも水増している。助けてくれー!!!

鍵泥棒のメソッド

詰まらなくはないが、決して面白くはない。 長い、長いんだ。もっとテンポが良ければ面白かったかもしれない。40分位カットしてもいいんでない。予告編を観るとすごく面白い、テンポがいいからだ。 物語的には短い時間で良い内容なんだ。

キャリー

ブライアン・デ・パルマのは観たことない。キング好きの癖に原作も読んだことない。 だからか、単純にこの映画を楽しめた。面白かった。 クロエ・グレース・モレッツの私のイメージは「非常に、危うく・不安定な・脆い、美しさ」 私の中ではキャリー役ににビッタしハマっていた。 いじめ部分や、母親の自傷行為や、虐待のシーンは嫌悪感ったぷりで、最高にゾワゾワする感じは、最高に嫌な感じ。最高だ。 母親の過去などをさり気なくセリフで想像させる程度にしているのが、良かった。あれをしっかり説明したり、回想シーンとか入れてたら最悪だった。